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若年層で増加する「舌がん」──20年で倍増、その背景に“狭い歯並び”の影響も?

若年層で増加する「舌がん」──20年で倍増、その背景に“狭い歯並び”の影響も?

「お酒はあまり飲まない」「タバコは吸わない」「口の中は清潔」。
一見、舌がんとは無縁に思える若い世代で、近年舌がんの発症が増えていることが注目されています。
原因の一つとして指摘されているのが、現代人に多い“狭く小さな歯並び”。
単なる口内炎だと思い込み、放置してしまった結果、実は舌がんだったというケースも少なくありません。
この記事では、舌がんが若年層で増えている理由、口内炎との見分け方、予防のポイントについて、歯科医師の見解をもとに解説します。

舌がんを含む「口腔がん」は50年で約10倍に増加

舌がんは、口腔がん全体の半数以上を占める代表的な疾患です。
国立がん研究センターのデータによると、2021年に舌がんを含む口腔がんと診断された人は全国で22,781人。1975年(約2,100人)と比べると、およそ50年で10倍に増えています。
従来、舌がんは「中高年男性」「酒やタバコの習慣がある人」に多い病気というイメージがありました。しかし近年は、飲酒・喫煙習慣がなく、口腔内も清潔な若年層での発症が増加しています。
実際、舌がんを含む口腔がん患者に占める若年層の割合は、
1997年:8.0% → 2016年:15.8%
と、この20年で約2倍に増えたという報告もあります。

若い人の舌がん、その引き金は「狭い歯並び」?

がんの外的要因としては、
アルコールやタバコによる化学的刺激
歯の尖りや噛み合わせによる物理的刺激
この2つの「慢性的な刺激」が知られています。
近年、若年層の舌がんで注目されているのが、歯並びの縮小による物理的刺激です。
噛む回数の減少や食生活の変化により、顎が小さくなり、歯が内側に倒れ込みやすくなった結果、特定の歯が舌に繰り返し当たり続ける状態が生まれます。
たとえば、奥から2番目の「6番目の歯」の尖った部分が、日常的に舌を刺激し続けた結果、舌がんを発症するケースも報告されています。
通常の口内炎であれば2週間程度で自然に治癒しますが、
同じ場所の炎症が長期間続く場合は注意が必要です。

舌がんができやすい場所とセルフチェックのポイント

舌がんは、
舌の側面(左右の縁)にできやすく
舌の先端や中央にできることは比較的少ない
とされています。
鏡を使えば自分で確認できることもありますが、舌の裏側など見えにくい部位に発生する場合もあります。

舌がんの初期にみられる症状

硬いしこり
ただれ
舌の動かしにくさ
しびれ
進行すると、
痛み・出血・強い口臭などが現れることもあります。

口内炎と舌がんの決定的な違いとは?

舌がんと口内炎は見た目が似ていることもあり、判断が難しい場合があります。
以下はあくまで目安ですが、重要な違いです。

項目 口内炎 舌がん
境界 赤く縁取られ、境目がはっきり 境界が不明瞭
治るまでの期間 2~3週間以内 1〜2か月以上治らない
痛み 強い痛みが出やすい 初期は痛みが少ない
しこり 基本的になし 潰瘍部に硬いしこり

※最終的な診断には、歯科・口腔外科での精密検査が必須です。

舌がんになりやすい人の特徴

舌がんのリスクが高いとされる要因には、次のようなものがあります。
飲酒・喫煙の習慣がある
口腔内が不衛生
歯並びが狭い
常に歯が舌に当たっている
同じ場所に口内炎が繰り返しできる
若年層であっても、歯並びや噛み合わせの問題がある場合は注意が必要です。

舌がん予防のためにできること

舌がんの予防には、
生活習慣の見直し
口腔内を清潔に保つこと
に加え、舌に当たる歯の形や歯並びを改善する治療も有効です。
歯が原因となっている場合、
矯正治療で歯列を広げる
歯の形を調整し、舌への刺激を減らす
といった対応が重要になります。

「治らない口内炎」は放置せず、口腔外科へ

若い世代にも増えている舌がん。
「舌に歯が当たる」「口内炎がなかなか治らない」「同じ場所を何度も噛む」といった症状がある場合は、自己判断せず、早めに歯科・口腔外科を受診することが大切です。
早期発見・早期対応が、舌がん治療において最も重要なポイントです。

細胞診・組織診

口の中に出来たできものができた場合、「がんかどうかの大まかなスクリーニング検査」をする事が出来ます。それを「細胞診」と言います。
特に麻酔をしたり、できものを切除したりする検査ではありませんので、とても侵襲が少ない検査です。
できものの部位を専用のブラシで擦り、できものの表面の「細胞」を採取します。その細胞を検査することで、そこに「がん細胞」がいないかどうかを検査します。
この検査でがんが疑われる場合は、より精密な検査をすることになります。
実際にできものを切除して検査をすることを「組織診」と言います。がんではないできものを切除した場合も、当院ではこの検査を必ずしていますが、がんの治療であってもこの検査は行われます。
しかしながら、前述した「細胞診」でがんが疑われた場合、一般の歯科診療所では組織診は行いません。大学病院や総合病院の口腔外科に紹介させて頂き、そこで診察を受けてもらうことになります。

まとめ

舌がんを含む口腔がんは、世間一般的にもよく知られる疾患になりました。
今回の記事では、若年者でも起こりうるという内容をお知らせしましたが、
「なかなか口の中のできもの・口内炎が治らない」
などの症状がある場合は、悩まず歯科医院を受診することをオススメいたします。
長年大学病院や総合病院歯科口腔外科で研鑽したあらかわ歯科医院では、適切な診断や、前述した「細胞診・組織診」も行っております。お悩みの際は、悩まず歯科医院を受診するようにお願いいたします。

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